カモフラージュ

それは些細な始まりだった。早朝、一人の老人がドアをノックする。

見覚えのないこの老人が、まさか自分の運命を握っているとは、その時の僕は知らなかった。

何のために誰のために生かされているのか知った時、僕をそこはかとない孤独が、僕を包む。

一人の科学者の謀反。

委ねられた命。

隠された生い立ち。

交差する人間模様。

ナイフのように切り裂かれた運命。

スイッチは押されてしまった。

仕組まれた運命の歯車が今静かに動き出す。

嘘で塗りつぶされた僕の存在。それがここに記されている。

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塩野木俊介(しおのきしゅんすけ) 主人公。やる気のない大学生。人嫌いで引きこもり傾向有。いきなりヒーローのアルバイトを振られ、大慌てするものの断わり切れずズルズルとする羽目に。
蓮池錬三郎(はすいけれんさぶろう) 怪しい爺さん。自称レンレン。俊介にヒーローのアルバイトを持ち掛けた張本人。のちに、優秀な科学者だったことが判明。
金城まどか(かなしろまどか) 錬三郎の呼びかけで集まった一人。事務処理及び雑用担当。若作りしているが、齢はかなり言っていると思われる。医療知識が豊富。
神山忍(かみやましのぶ) 錬三郎の呼びかけで集まった一人。エリートサラリーマンスタイルは変えず、冷静沈着で分析力が優れている。俊介のトレーナー兼ナビゲーション担当。
松園芳春(まつぞのよしはる) 隣人。俊介たちの奇行を目撃、不審に思っている矢先、錬三郎から仲間に入るように誘われる。趣味の領域を越して、優れた知識を持つプログラマー。元勤務先が銃口関係だったため、金属にも強い。心強い仲間の一人として加わる。
篠沢暁彦(しのざわあきひこ) すべてのカギを握る人物。蓮池とは同じ大学で学びともに働いた医師。のちにある研究へとのめり込んで行く。
篠崎洋子(しのざきようこ) 暁彦の妻。長年小児科の医師として勤めていた経歴有。いち早く不穏な動きに気が付き、錬三郎の手引きで海外脱出をするが、旅先で病死してしまう
及川恭介(おいかわきょうすけ) 篠崎の下で働く研究生。研究を横取りし、世界を我が物にしようと目論むが、恋人の手によって殺害されてしまう。
加治木敦美(かじきあつみ) 真相を握る人物の一人。及川の恋人。俊介の生い立ちに深く関係している。
加治木里美(かじきさとみ) 淳美の姉。望颯の中の人物としてとらわれているが、身を守るため名前を変え、俊介の母親として生きている。

*その他大勢の人物が、一枚のチップを巡り、次々と事件を引き起こして行きます。複雑に絡み合った運命の糸。

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